ワイン造りからビール、シードル造りに転身

元々南仏でワイナリーを構えていたアシュリー＆ジェーン夫妻。 2004年にタスマニア南部のダーウェントバレーの農場に拠点を移します。ブドウを育ててワインを作ることを夢見て移住したのですが、この地には上質なホップの歴史が息づいている事を知り、農場、谷、そしてタスマニア全体からの食材を使用して、エールを生み出すプロジェクトに着手したのでした。アシュリー氏は身長が2m！Two Metre Tall：トゥー ミーター トールという社名はここから付きました。

羊の毛刈り小屋をリノベーション

発酵、醸造を行うブルワリーは、2008年に羊の毛刈り小屋をリノベーションしたものです。ですが実は、1980年代後半まではセントアイブスブルワリーとして醸造所として機能していたのだそうです。残っていた古い蒸留器や醸造タンクを今の醸造に活かすのは、ある種面白い旅のようだと彼らは言います。

二人ででき得る範囲の土地で

夫婦二人で運営する彼らは、2019年、所有する土地を52ヘクタールまで減らしてしまいます。その分醸造所で過ごす時間が増え、できる限りのことを丁寧にやっていこうとしています。そうはいっても、ホップ、リンゴの木、ラズベリー、牛のための土地はまだたくさんあるようです。

タスマニア産の原料しか使用しない

彼らは、タスマニア産の原料しか使用しないという制約を自らに課しています。“野生醗酵”“ワイルドな瓶内2次醗酵”“狙わない醸造”“ボトルヴァリエーション”“時と共に進化する”をコンセプトとして掲げた醸造的アプローチを実践しています。

このシードルの特徴は

リンゴのサイダーにラズベリーを投入し、再醗酵させたもの…という事になると思うのですが、工程的にもアシュリーの思惑的にも恐ろしく深い背景がありまして…。
「ラズベリーって、本当に美味しいし、みんな好きだと思うんだよね。でも素材としては、高慢とでも言えばいいのかな…。原料の1つとして使用すると、その強い個性が突出しすぎてしまい、他の原料が見えづらくなる気がするんだよね。更に言うと、ベリーやチェリーなどの入った飲み物で、軽く飲み進められるものがなかなかないし、食事と合わせるのも難しい…。ピリッじゃなくてある程度しっかり発泡していて、アロマティックだけどシロップ的な甘ったるい香りではなく、味わい的にはドライで酸のしっかりしたもの…そんな飲み物を造りたいと考えた時、キーになるのが野生醗酵だと思うんだ。」とアシュリー。
大量のラズベリーが使われているのに、出しゃばった感じは一切なく、サイダー自体の味わいもしっかりと感じられる、サイコー過ぎるプロダクトです！おっと、ラベルには記載されていない、とっておきの秘密がもう1つありました！実は、2014年産の2年物のサイダーに2016年産のラズベリーを使用した前ロットのうち、1樽だけブレンド＆ボトリングをせずに取って置いたものがあったそうで、それも今ロットに混ざっているそうです(全体の約15%に当たるそう)。つまり、今ロットには、樽で7-8年熟成させていたサイダーが入っていることに…。もはや何が何だか良く分からなくなりますね(笑)。
（インポーター資料より抜粋）