365日の物語を保存するのが自分の仕事

ワインの美しさは、人生と同じように、日々続く物語のよう。 ワインは曲がりくねったエキサイティングな道筋を作り出し、 のちにしずくの中にたどりつくことができる。

そう熱く語るのが、 南ドイツ、バーデン地方カイザーシュトゥールでワインを造る 当主のイナ・ヴィーラーさん。 常にこのことを意識し、自分の仕事は1年365日の物語を保存する ことだと言います。

祖父の後を家族で引き継ぐ

彼女の祖父はワイン醸造家だったが若くして亡くなり、 祖母が姉とともにワイン造りを引き継ぎました。 彼女は、高校卒業後、ガイゼンハイムでぶどう栽培を学び、オーストリア、ドイツのワイナリーでビオディナミ農法を勉強しました。その後、祖母の畑を引き継ぎ、2016年に3000本あまりだが念願の初ヴィンテージをリリースしました。

温度を一定に保つアースセラーも計画中

現在、美しいカイザーシュトゥールの健康的で健全な畑で、5年間、2.5ヘクタールの畑で農薬などを使わずにぶどうを栽培し続けています。 また、1890年遡る古いワイナリーを自分たちで改修中で、温度を一定に保つアースセラーも計画中だとか。祖母と大叔母からインスピレーションを受けて育った彼女は、古くからの伝統と文化を大切にし、自分のワインに家族の歴史の一部を写し出すよう心がけています。

このワインの特徴は

ロゼ色にややオレンジがかったイエロー。 ピンクグレープフルーツ、セージの青さのある香り。 味わいは石灰のコクのある苦味、高いきゅっとしまったクランベリーのような 酸味がアクセント。 全体的には軽やかですが、半ばには優しいカルヴァドスのようなアフターです。