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クロ・マソット

山と海に挟まれた自然の恩恵を受ける

クロマソットは、 カニグ山と地中海という豊かな自然に挟まれた LES ASPRES (レ・ザスプル) エリアの中心に所在する蔵である。ピエール・ニコラの曽祖父が1900年頃に購入した土地にぶどう樹を植えたのが始まり。2004年に、 家族所有の30ヘクタールの畑のうち、 トゥルイヤス村にある7.70ヘクタールを取得。 それと同時に醸造所を建造。 ぶどう栽培だけではなく、ワイン造りも始める環境を整備した。 平均樹齢は60年で、 最も古いものとし ては 1910年植樹のものもあり、この土地の魅力を大いに表現している。

仮想空間から土や畑のある現実世界へ

元々は、メカニックのエンジニアだったピエール・ニコラ。情報エンジニアとしての仕事は肌に合っていたが、仮想の世界にばかり身を置いていたので、土地の近くでもっと自分の手で何かを造ってみたくなった。家業がぶどう栽培農家だった為、自然とぶどう栽培、ワイン醸造の世界に足を踏み入れることになった。2004年に、家族所有の畑のうちトゥルイヤス村の7ヘクタールの畑を受け継ぎ、ワイン造りスタート。ピエール・ニコラの父は、息子の影響でビオ栽培へ転向。2019年、父の畑の25haを受け継ぎ、現在はトータル35ha所有している。父はこの畑のぶどうを協同組合に提供していたので、収穫した一部は引き続き共同組合へ、残りはピエール・ニコラが醸造する。

樹齢110年越えの貴重なブドウ樹も

平均樹齢は60年。最も古いものは1910年植樹で樹齢110年を越え、まさにこの土地の魅力を大いに表現している。土壌は粘土石灰質、気候は地中海性気候でトラモンタンという乾いた風が吹く。ぶどう樹を強くするために、病害対策用の散布液は自生の植物(イラクサの液肥、トクサの煎出液、タイム、ローズマリー、ヨモギ)をベースに自分で作る。オレンジやラベンダーから抽出したエッセンシャルオイルや重曹も使用する。

基本的にはビオディナミ農法

基本的にはビオディナミ農法を実践しているが、常に試行錯誤を繰り返し、その時々の状況に合ったやり方を適用することが重要なことだと考えている。畑もぶどうも『愛情、敬意、思いやり』が必要なんだという意識で畑仕事を行うピエール・ニコラ。一貫して「決定するのはぶどう自身」。不要な介入は行わずぶどうに寄り添う造りをしている。

全房発酵にチャレンジするなど日々思考錯誤

2019年から、除梗しない全房発酵での醸造に挑戦し、濃厚でパワフルなワインから徐々に軽やかでフルーティーなワインへと進化した。また、今まで混醸造していた造りを品種ごとの醸造に変更。それぞれの品種の特徴をより引き出すスタイルに。さらに、標高500mに位置する山の中に2haの土地を購入。今後ハチミツと香草をつくる予定。さまざまな実験を繰り返し、進化し続けている。
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