テクノロジーに頼らない伝統的な造りを

弁護士かつ醸造家

イル マイオーロはイタリア・エミリアロマーニャ州にあります。当主のフランチェスコは弁護士でもあります。当初から自身のワインのクオリティには自信＆確信があったものの、味わい的にはいつ開くのかが皆目見当がつかないほどの硬さがあり、それが影響してか売れ行きもなかなかに芳しくなかったそうです。

ワインの生命力を失いたくない

売れない現実を前に心に迷いが生じ、2007年ヴィンテージは一部のワインを逆浸透膜法という現代技術を採用し醸造してみたそうです。結果、程よくタンニンを除去した果実味豊かなワインは、マイオーロ史上初の劇的な売れ行きとなったそうです。ところがフランチェスコ氏は、逆浸透膜がワインから生命力のようなものさえも奪ってしまったと感じ、丹精込めて作ったブドウを台無しにしてしまったと自身の選択を悔い、2度と使わないと心に決めたそうです。

手を加えなくても育つブドウを活かす

畑ではボルドー液のみを使用、セラーでも温度管理を行わず、野生酵母による醗酵、長期にわたるマセレーション、清澄もフィルタリングも行わず、ボトリング時に若干量の二酸化硫黄を添加するのみというスタイルです。

このワインの特徴は

甘みと濃密感、重厚さが存分に楽しめます。畑ではボルドー液以外の農薬は一切使用せず、長いマセレーション、長期間の樽熟成を行っています。テクノロジーに頼らない伝統的な造りをした圧倒的生命力を感じるワインです。

2004年といえば「アテネオリンピック」で 金メダルを獲得した北島康介選手の 「チョー気持ちいい」がブームになった年ですね。