雹害時の経営判断が転機に

現当主アルド・ヴァイラとミレーナはピエモンテは勿論、他の産地の造り手からも慕われる人格者。醸造や栽培の経験を若い世代に伝えることにも力を入れていている。現在は息子のジュゼッペが醸造を担当、イシドロが栽培担当としてカンティーナに参加し家族経 営を続けています。 アルドの父はワイン造りを仕事とせず、アルバで働いました。アルドは醸造学校を卒業後、お爺さんが所有していた僅か0.3haの畑と樽の鉄枠だけを相続してワイン造りを開始します。

転機が来たのは不況下の1986年。雹害で全ての畑が壊滅的な被害を受け、多くの造り手が廃業しましたが、アルドは借金をして畑を買い増しました。 この判断でバローロ村の重要な畑「ブリック・ヴィオーレ」「フォッサーティ」「レ・コステ」等の最良畑ばかりを所有する事になったのです。

伝統派だが革新的

彼等にとってワインが美味しいのは当然で、その上で安全で清潔、かつ美しいも のでなければならないと考えています。

「リンゴジュースを飲めばリンゴの味。他の味は必要ないんです。バローロを飲めばネッビオーロの味。樽由来の甘味、タンニン、香りは必要としません」
「僕等は伝統派だけど革新的でありたい。だから毎年100種以上の発酵を行い、最適の発酵を試しています。醸造は毎年変わるんです」

こうした取り組みから、多くの醸造家がここで学んで独立していくほどの存在になっています。

このワインの特徴は

ブラックベリー、プラム、干し草、タバコ、スパイスなどの豊かな香りが漂います。口に含むと黒い果実やミネラルが強く感じられます。