ピアノ技師がナチュラルワイン造りに参入

オーストリアのニーダーエスタライヒ州カンプタール地方にある僅か1.5ヘクタールのワイナリー。 マチルド クリストフ ディニエールとコラーの父娘二人の手でワイン作りを行ってい ます。 2004年頃、クリストフは、オーストリアのスタインウェイ＆サンズ（世界最高峰のピアノメーカー）のマネージング・ディレクターであり、ピアノ技術者としてマチルダともにピアノ事業に携わっていました。彼らは自然な作りをしたワインに魅了され、ピアノの仕事をする最中、2005年にカンプタールの南部に葡萄畑を所有しました。その辺りからヨーロッパや世界中の葡萄畑やセラー、様々なワイナリーを訪問し、よりワイン作りに向けて徐々に始動していきます。
2017年、彼らはワインの生産量を増やすことを決定し、シェーンベルク・アム・カンプの丘の上にあるカンプタールの北部に、より多くの葡萄畑と古い農家を購入しました。2019年、ワインを初リリース。2020年以来、ワインはすべて自然でありデメター（ビオディナミ認証機関）を基準に働いています。

バイオダイナミクスに則って

畑はまだ認証を取っていませんが、バイオダイナミックスをもとに動き、セラーでは人的介入を行い、培養酵母は一切使用せず、各葡萄園からの自然酵母から始まります。 そして、葡萄は地下室セラーでその潜在能力を最大限に発揮して成長し、生き生きとしたワインが造られ、そのテロワールを語り、土壌の特徴を明確に認識できるようにします。彼らは、この古風で介入の少ないワイン造りの方法が、彼らのワインを愛し、飲む私たちと人々の心に触れるものであると強く信じています。

ラベルデザインは家族の落書き

ワイナリー名のNORD und SUD（北と南）には2つの意味があります。
①【ブドウ畑の位置】彼らの葡萄畑は、カンプタールの北部と南部に位置しています。
②【ワインへの情熱】クリストフとマチルドは異なったキャラクターを、北と南のように違った関係にありますが、国境のないワインを夢に見ていることから、この名前が由来しています。

彼らのワインはテロワールの表現、カンプタール地方や土壌由来の特徴、オーストリアワインとしての本質を上手く表現されています。ラベルについては、全て彼らの家族の落書き。名前を決めてから、そのイメージで書いたものとなります。また白ラベルは、スキンコン タクトが短い白ワイン、黒ラベルは、スキンコンタクトが長いワインを示しています。

このワインの特徴は

“Gemischter Satz/ゲミシュター・サッツ”ではなく、Gemaischt（浸軟）とSchatz（宝物）を掛け合わせて作った言 葉。“ゲミシュター・サッツ”をいわゆる“シャレ”で表し、また“宝物のオレンジワイン”という意味も込められています。 白濁があるイエロー。熟したリンゴ、ミネラル、グレープフルーツ、白コショウ、シナモンなどの複雑なアロマ。グレープフルーツを中心としたシトラス とハーブの少しの樽熟のニュアンスとシトラスの皮のほろ苦さがアクセント。旨味とフルーティーさを感じられるオレンジワインです。