不可能だと思われていたワイン用品種の無農薬栽培を実現
香月ワインズは小量生産の手造りナチュラルワインに力を入れる、家族経営のワイナリーです。香月克公(カツキ ヨシタダ)は、ニュージーランドとドイツでワイン醸造を学び、地元宮崎県で挑戦すると決意し帰国。奇跡のリンゴで知られる木村秋則氏に感銘を受け、2013年に化学肥料、殺虫剤、除草剤を一切使わない持続可能なブドウ栽培を始めました。日本の食用ブドウ栽培のテクニックをヨーロッパのワイン用品種に適合させ、今までこの地域では不可能だと思われていたワイン用品種の無農薬栽培を行っています。
生物圏保護区に登録された綾町
綾町には、縄文時代(紀元前14,000年 – 紀元前400年)から人々が暮らしていたと云われていますが、平安時代(西暦967年)に最初に「亜椰駅(あやえき)」が記されています。近年は、「日本で最も美しい村」、「名水100選」、「日本一星の見える町」、農業の取り組みなど、多くの表彰を受けています。綾町は1988年に全国初となる「自然生態系農業の推進に関する条例」を制定しました。綾町の照葉樹林は日本最大級です。地域社会と自然環境との持続可能な共生を築いていくこの町の取り組みは、結果として2012年に生物圏保護区(名称:ユネスコエコパーク)に登録されました。
可能な限り自然生態系を維持する農法
錦原台地に広がる香月ワインズの3区画のブドウ畑の土壌は、黒ボク土で構成されており、シャルドネ、メルロー、ピノグリ、ゲヴェルツトラミネール、ブラックオリンピアなどの品種を栽培しています。農薬、除草剤、化学肥料を一切使用しない畑で、多様な野花、野草、ハーブなどの下草を育て、可能な限り自然生態系を維持する農法に取り組んでいます。
自重で澱を沈殿、クリアな上澄みを瓶詰め
収穫から、除梗、圧搾、瓶詰は、すべて手作業で行なっています。最高の品質を確保するために、異物や、劣化したブドウの選果を丁寧におこないます。発酵は、ブドウの皮や空気中に存在している野生酵母を使用しています。ワインの清澄作業は、濾過機を使用することなく、自然な重力で澱を沈殿させていき、クリアになったワインの上澄みをとっていきます。この作業を複数回繰り返し瓶詰めとなります。酸化防止剤、清澄剤は使用していません。
このワインの特徴は
日向夏のフレッシュな風味と、文旦のまろやかな酸が口の中いっぱいに広がります。
野生酵母が造り出した泡はとても爽やかで、キリリとした柑橘の余韻が長く続く。何も加えず、綾町産農薬不使用の日向夏と文旦だけで作ったフルーツワインです。