完全無添加スパークリング「ペットナット」って何?
2021年11月加筆
こんにちは。
自然派ワインをこよなく愛する自然派ワイン専門店ハウディです。
今回は自然派ワイン好きに、こんな話題をお届けします。
目次
完全無添加スパークリング「ペットナット」って何?
ここ数年、自然派ワインが徐々に認知度を上げてきています。そんな中でスパークリングタイプの自然派ワインも増えているのですが、「王冠」栓が増えてきたました。
ただ、時折お客様同士の会話で、「王冠だって・・」とこっそり耳打ちのように話しているシーンを何度か見てきました。その表情はちょっと不審さを感じているかのよう。
日本人にとって「王冠」=瓶ビールのイメージが強いからか、ワインは「お洒落で高級なモノ」という印象が強い方にとっては「王冠=大衆的」と感じてしまうのでしょうか?
貴方の印象はどうですか?
そういえばスクリューキャップが台頭し始めた頃も、コルクでないなら安物(もしくはテーブルワイン)というイメージがぬぐえず、「出来ればコルクで…」と、贈物を選ぶときに念を押された事が何度かありました。
さて、今回はこの「王冠」で打栓されるワインカテゴリーの一つ、「ペット・ナット」についてご紹介しましょう。
1.まずはじめに。
「ペット・ナット」はスパークリング製法の1つであり、その工程を経て造られたワインのみが名乗ることを許されます。
キーワードは、3つ。
・野生酵母
・ドサージュ無し(=糖類無添加)
・ろ過・無清澄ほぼ無し
2.ペットナットの製法は?
製法を簡単にお話しします。
①収穫したブドウが、野生酵母によって発酵が始まるのを待つ
②その発酵が完全に終わる前、つまり糖分がまだ残っている状態で瓶詰。
③必要な時間を経て、そのまま出荷。
この製法のコンセプトは「完全無添加、ブトウのみでスパークリングをつくる」ということ。
保存料や酸化防止剤等も一切加えません。
ろ過・清澄をほとんどしない=にごり(オリ)が瓶内に残っているのも、むしろワインの新鮮さを保つ役割がある、という生産者もいます。
3.ペットナットは略称です
ここまで「ペットナット」と表してきましたが、実はペットナットは Pétillant Naturel=ペティアン・ナチュレル(ペティヤン・ナチュール)の略称です。
ペティヤン=弱発泡
ナチュレル=自然のままの
と、訳を知れば一目瞭然ですね。
4.ペットナットのガス圧はどれくらい?
さて、弱発泡であるペットナット。
実際のガス圧は?というと、シャンパンなどの一般的なスパークリングワインに比べると弱めです。
~1気圧 : スティルワイン(無発泡)
1~3気圧 : ペティヤン
3気圧~ : ヴァン・ムスー(シャンパンもこのカテゴリーに入ります)
弱発泡なので、舌触りも炭酸ガスのとげとげしさは弱く、むしろワインそのものの味わいをしっかりと感じる事ができます。(筆者も個人的に大好き(^^♪)
5.ペットナットの味わいは?
ペットナットは、糖分を少し残して瓶詰めをします。
しかし、「甘い」わけではなく、旨味の一つとしてほんのり糖を感じる程度でしょう。
これは、造り手によっても糖の残し方が変わります。
また、味にインパクトを持たせる要素の一つがアルコール度数ですが、ぺットナットの場合、比較的度数が低め(10%前後)の物もあります。
一般的なワインの平均アルコール度数は13.5%ですので、飲み応えを求める方には物足りないかもしれません。
ですが、じんわりとした味わいを楽しみたい方には、もってこいのスパークリングとなります。
覚えておくと、自然派ワインコーナーでのワイン選びに役立つでしょう。
6.まとめ
いかがでしたでしょうか?
スパークリングワインといえば、シャンパンが真っ先に頭に浮かぶ中で、実は現地で親しまれるスパークリングはシャンパンだけではなかった事が分かりますよね。
「ペット・ナット」を一言でまとめると、【 完全無添加スパークリング 】という意味が、おわかりいただけたのではないでしょうか?。
貴方が自然派ワインを楽しむ参考になれば幸いです。
ぜひ参考にしてみてください。
ハウディではペットナットのワインを取り扱いしています。