開催報告|問天会名古屋
四川料理と問世の極上マリアージュ
目次
天に問う、世に問う、日本酒のテロワール
ワイン業界で「テロワール」という言葉はよく耳にする。
その言葉の本質が何なのかは常に議論が付きまとい、日本語に訳す場合も慎重になる。
「風土」「環境」「土壌」「人も含んだそこに影響する物すべて」等、
どれが正しいというより、どれも正しいと感じている。
そんな「テロワール」という言葉を、こと日本酒業界に持ち込むと、
「ワインのそれとは同じように言えるものではなく、テロワールは存在しない」
という声も良く聞く。
そんな日本酒テロワール論争にぐいぐいっと入り込み、存在感を増しつつある日本酒、
それが「問天シリーズ」だ。
問天会名古屋/第2回は四川飯店名古屋さんにて
実は、6月の第1回は同じくセントラルガーデン内にある「賛否両論名古屋」さんで行った。
その時のご縁で、丹下料理長に四川飯店の河合料理長をご紹介頂いた。
お2人は非常に熱心で、5月に問天シリーズの蔵元「薄井商店」まで足を運ばれている。
長野県大町市。あの白馬の麓の町。名古屋から片道3時間30分。
よほどの好奇心と思い入れが無ければ、わざわざ蔵まで行く事はしない。
それほど、この日本酒と真剣に向き合って下さっている事に、感謝しかない。
河合料理長は、その時試飲したお酒のメモを今も手帳に残していた。
打ち合わせの時も、それを元に丁寧に話ができたのは有り難かった。
四川飯店にはもう一人のすご腕、井上支配人がいる。
きき酒師&ソムリエとして、東京で和食からフレンチを渡り歩いてきたスペシャリスト。
今回の料理とのバランスは、彼の舌無くしては完成しなかっただろう。
見事なしつらえともてなしの空間
ガラス張り一直線で、中庭のライトアップが美しい空間に、
ソファ側は厨房の動きが窓から見えるというライブ感たっぷりの席。
テーブルのセッティングも丁寧で、メニューまで美しく配列され、
そこからの期待感の演出に顧客への丁寧さを感じた。
井上支配人のお声かけから始まり、そこからは四川料理と問世4種の饗宴。
問天社長の竹久氏が、先日の日本橋三越での盛況ぶりや、
パリで行われた「Salon du SAKE」での現地ソムリエの生の声をご披露くださり
お客様方も熱心に耳を傾けて下さっていたのが印象的だった。
美しく品の有るお料理の数々
こんなに美しく手をかけられた中華を頂いた事があっただろうか。
そう言いたくなるほど、一般的な中華の印象を覆すお皿の数々に、
これはもうガストロノミーへと昇華されている!と感心しきりだった。
目玉は日本酒デキャンタージュ
おそらくワイン業界にいなければ、その発想のすばらしさに気が付かなかったかもしれない。
それこそが「日本酒デキャンタージュ」だ。
問天社長の竹久氏は、これまで幾度となくこれを各地で披露してこられた。
その発端は、実はフランスのトップソムリエだった。
彼らはこの問天シリーズの「ポテンシャルをより引き出すために」
当たり前のようにデキャンタージュをして顧客に提供していたらしい。
もちろん、それが向いているものと向いていない(変化を感じない)モノがある。
これまでの結論から、「黒」「紫」が効果を発揮するそうで、
この日は「問世 黒」のデキャンタージュを頂いた。
見事に丸みを帯び、味わいの要素が舌の上をなめらかに刺激する様は、
井上支配人をしても納得されていたのだから、間違いなく意味がある作用だろう。
料理とのマッチングも見事だった。
陳建一直伝麻婆豆腐
やはりこの麻婆豆腐だけは何を差し置いても外せない。
辛いのだが、燃える辛さというよりは「しびれる辛さ」といった方がしっくりくる。
辛くて、でももう一口と進む不思議な魅力は、旨味の有る辛さだからだろう。
「四川料理を食べた!」という気にさせてくれ、ある意味水戸黄門の予定調和のような存在。
陳建一氏の感性を名古屋で表現する河合料理長の腕前にまんまとハマってしまい、
またこのしびれる麻婆を食べたくなってしまうのだ。
なお、このしびれた舌で日本酒を飲むと、まったくもって味が違う。
どれを飲んでも「甘く」感じるから、ぜひ怖いもの見たさで試してみてほしい。
問世との見事なマリアージュに感動
すでにお腹が膨れつつある、いや、膨れていた。
しかし食べられてしまうこの味覚バランスマジックは、
四川飯店の手のひらの上で転がされているような感覚だった。
最後には、濃厚さと程よい食感の杏仁豆腐が、ホッとさせてくれたのは言うまでもない。
今回、4種の問世が見事にその個性と品格を発揮するよう計算されたお料理の数々。
そして、ホスピタリティからお料理とお酒の提供の絶妙なタイミングまで、
お客様にはお喜びいただけていたようだった。
最後には、蔵元である薄井社長から、蔵での取り組みと共に、
「ぜひ引き続き応援してほしい」とのお言葉を頂きお開きとなった。
この素晴らしい美食の時間を共有して下さったお客様に、
心より感謝している。
これを機に、ぜひこの将来性のある問天シリーズのファンになっていただければ幸いである。
実は普段はほとんど立ち回って食事ができないのだか、今回は珍しくゆったりと
薄井社長の横のお席でお食事させていただくことができた。
社長は、名古屋へ自らの運転でお越しになり、わざわざお宿を確保してのご参加。
いち販売店でしかない弊店での企画に、足を運んで下さる事には感謝しかない。
お会いするたびに丁寧で、誰に対しても温かく接して下さるそのご姿勢が好きで、
勝手にファンのつもりでいる。
そして、ブランド社長である竹久氏、ブランド顧問の吉川氏。
いつも精力的に各地で問天シリーズの魅力を伝えていらっしゃる。
この熱意と、そもそものコンセプトに心をうたれ、
ハウディでは正規代理店に手を上げさせていただいた。
全国でもほとんど手に入らない珍しさもあり、お陰さまで好評を博している。
ご興味のある方は、ぜひ気軽に問合せを。
正規代理店:ハウディ
TEL 052-884-7663