オーストリア特派員のワイン巡り報告⑧5月9日スロベニア国境に面するワイナリー「サトラーホフ」へ
前回はロイマーの地下セラーのリポートをお届けしました。
旬のホワイトアスパラガスを使った出張シェフによるディナーもとっても美味しくて、ロイマーの酸の高いワインがさらに料理の味わいや香りを引き立てていました。
余韻に浸る暇もなく翌日。5月9日朝8時にウィーンを出発。一路高速道路で3時間弱。
山道を大型バスでうんこらしょ、と登ってサトラーホフの所有するクラナッフベアクの畑に到着しました。
この辺りは、山歩きする人や避暑に来るなど観光地としても人気なのだそうです。
「Weingut Sattlerhof サトラーホフ」とは
★2020年米国の著名なワイン誌Wine & Spiritsが選定した世界のトップ100ワイナリーに選出
★「オーストリアのトスカーナ」と言われるほど風光明媚な景観
★ソーヴィニヨン・ブランが世界的に高い評価
★併設のレストランはガイドブック『ゴー・ミヨ』で2トックを獲得する名店
という、オーストリアでもひと際注目度の高いワイナリーです。
ワイナリーHP:Sattlerhof
サトラーホフの畑を見学
早速バスを降りて、丘の上へ。けっこう急な斜面です。
畑で待っていてくれたのは、サトラーホフ家長男のアレックスさん。自然愛好家である彼は、ボルドーで学び、クロスターノイブルクブドウ栽培学校を卒業した後、2016 ヴィンテージからブドウ畑の責任を引き継ぎました。彼の主導で自社畑をビオディナミ栽培に転換しました。
想像以上に急斜面!
最近では、彼らの取り組みに触発されてか、隣の畑の所有者も慣行栽培からオーガニック栽培に切り替え始めたのだそうです。そのため、自分たちの知見を共有しながら協力し合っていると話してくれました。
テイスティングルームで試飲
その後移動し、ワイナリーへ向かいました。
センスあふれる陳列ですよね。
セラー見学の後はテイスティングルームへ移動。ここからは次男のアンドレアスさんの進行でワインを飲み比べです。
彼はビジネススクールを卒業後、ウィーンの天然資源生命科学大学で醸造学を学びました。その後、2013 年からセラー責任者を担当しています。セラーでは、ワインの力を活かし人間が敢えて「何もしない」ために知識とスキルを発揮しています。
ワインの説明の熱量と情報量がすごくてメモを取るのに必死でした汗。
各畑を空撮したポストカード。これを見ながら説明を聞けるので、環境や土壌、気候が想像しやすかったです。こういう工夫が良いですね。
というわけで、こちらでは16種のワインをじっくりテイスティングさせていただきました。
遅めのランチはワイナリー併設のビストロで
サトラーホフは、ワイナリーに併設してビストロがあります。この日のランチはオープンテラスでいただく事になりました。
日本のニンニクと違い、こちらのニンニクは根ではなくお花なんです。白いお花の部分の匂いを嗅ぐと確かにニンニクでした。
肉塊、、じゃなく鶏1羽丸ごとを小分けにしたフリット。これはみんなでシェア。
デザートはアップルパイとバニラアイスでした。美味しかったなー。
緑のハート=オーストリアの心
一見非効率にしか見えない急斜面のブドウ畑。そこから世界的に評価の高いソーヴィニヨンブランが生み出される事実。サトラーホフはこの環境を味方にしていました。ぜひ日本輸入が再開されたら皆さんにもご紹介したいワイナリーの一つとなりました。(2023年秋季より新インポーターの取り扱いに変更と聞いています/2023.5現在)
最後に、ワイナリーの一角に緑のハートのモニュメントがあったので意味を聞いてみました。
「緑色はオーストリアの森の豊かさを表していて、ハートは心の事。だから緑のハートでオーストリアそのものを意味しているのよ」
だそうです。
サトラーホフに行くことがあれば、緑ハートを探してみてくださいね。
続く
■【シリーズ】オーストリア特派員のワイン巡り報告
①旅の準備編
②長いフライト~ウィーン入り
③5月7日:ツァーヘル訪問・畑編
④ 5月7日:ツァーヘル・醸造所編
⑤ 5月7日:ウェルカムパーティー@ホイリゲ
⑥5月8日:ロイマーで試飲三昧
⑦ロイマーの地下セラーはダンジョンだ!&ディナー編
⑧5月9日スロベニア国境に面するワイナリー「サトラーホフ」へ
⑨5月10日1軒目「ヴィーニンガー」Mr.シャルドネに会いに
⑩5月10日2軒目:ノイジードル湖畔のハイセンスなワイナリー「ハインリッヒ」を訪ねて
~フェアウェルパーティーでオーストリア旅→完