「オーガニックワイン」について:ハウディの考え
オーガニックワインについて
おいしい!と思えるワインに出会えた時、ものすごく幸せな気分になりますよね。
そのワインがたまたま農薬や化学肥料を使っていなかったら、よりうれしいことです。
ここではそのことについて少し掘り下げてみようと思います。
ワインの原料はブドウです。
栽培農家には、そのブドウを大手のワイン醸造企業に売る人もいれば、自ら醸造する人もいます。
さて、彼らはそれを生活の糧としています。
ブドウを育て、ワインにし、たくさん造ってたくさん売れた方がいい。
そして、たくさん造るには、農薬や化学肥料が有効です。
それを敢えて使わずに、ブドウを育てることは並大抵のことではありません。
しかしながら一部の造り手は、彼らの理想とするワインを造るために努力し続けています。
病虫害の猛威、天候不順、周囲の嘲笑と闘いながら。
では、今なぜ、オーガニックワインが注目されるのでしょうか。
野菜に置き換えて考えてみるとよくわかると思います。
自分や家族のからだに入るものは、少しでも自然なものがいい。
だから「有機野菜」「無農薬野菜」を選ぶという人も多いのではないでしょうか。
ワインも同じだと思うのです。
認証を取らない生産者でも、有機栽培を当たり前に行っているところがたくさんあります。
実は、かの「ロ○ネ・コンティ」も1985年から有機農法を実践しているそうです。
そういったワインは、わざわざラベルに「オーガニック」と表示しません。
そうすることが当たり前で、わざわざ表示するものなの?と思っているのです。
実際のところ、1960年代以前は、農薬や化学肥料が存在しませんでした。
つまり、当たり前のようにすべてが自然の力だけで造られたワインだったのです。
有機農法じゃなきゃおいしくない!なんてことはありません。
酸化防止剤が入っていたらいけない!なんてこともありません。
個人の嗜好として「オーガニック」を好むか好まないかは自由です。
あなた自身にとって、おいしいかどうかが基準でいいのです。
では改めて、オーガニックワインとは何でしょうか。
それらをもう少し詳しく知るためのキーワードを以下に紹介します。
・「オーガニック≒ビオロジック」
・「リュットレゾネ」
・「ビオディナミ」
・「ヴァンナチュール」
厳密な定義は今のところありませんが、あなた好みのワインを見つける指標として、これらの言葉の違いを知っていただければと思います。
目次
【ビオロジック≒オーガニック】
「有機栽培」ともいわれます。
除草剤や殺虫剤、化学肥料を使わずに栽培します。
これによって収穫されたブドウで造られたワインが「オーガニックワイン」。
有機農法と言っても、規定内で使用が認められている農薬は使えます。
使用量などは造り手の判断によるところが大きいです。
オーガニックの認証を得るには金銭的な負担も大きいため、あえて公的認証は取らない造り手もいます。
【リュット・レゾネ】
「減農薬」の農法です。
自然環境を尊重し、必要に迫られない限り極力化学肥料や農薬を使いません。
細かな規定が無いので、造り手によっては全く農薬などを使用していない場合もあります。
【ビオ・ディナミ】
有機農法に加え、月の運行に準じて農作業を行ないます。
牛の角に詰めた水晶の粉や牛糞を畑に蒔いたりする農法です。
本来の自然環境を尊重し、自然界にないものは絶対に使用しません。
【ヴァン・ナチュール】
ブドウの栽培だけでなく、醸造過程においても自然の持つ条件のみで造られたワイン。
発酵は自然酵母。
また、主な自然派の醸造元は、SO2(亜硫酸塩)を添加しなくても良い健全な葡萄を収穫する努力をしています。
SO2の使用を抑える一番の理由は、自然酵母を生かすことだそうです。